カードショップばぶるす・GPT神戸カバレージ決勝※ライター・カルパチ
2014年7月12日 TCG全般決勝
カワサキ(オルゾフコントロール)VSウメノ(黒単コントロール)
普段からばぶるすによく顔を出し、チームメイトや友達とマジックを楽しんでいるカワサキ。 今回は「ばぶるすスタンダード神」ことスエマツとデッキシェアをして決勝まで勝ち上がってきた。「ミスをしないように頑張ります」とのことだが、毎ターン選択肢の多いオルゾフをどう操るかが見どころだ。
対するウメノは相変わらずの好成績で、前々回(カバレージ参照)に次ぐGPT決勝である。前回はスエマツに敗れたリベンジを今ここで果たせるのか。デッキは前と同じ黒単である。
1戦目
先手カワサキが「占術」土地からスタートすると後手ウメノも「占術」土地。2ターン目には《群れネズミ》を鏡打ちと全く同じ展開であり、違うのは占術土地の色ぐらいだ。
カワサキは先手の利を生かしウメノの《ネズミ》を《払拭の光》で追放すると、自身のネズミでアタックしウメノに傷を負わせる。
ウメノは返しで《生命散らしのゾンビ》でカワサキの《幽霊議員オブゼダート》を追放する。
これはつまり、手札に《ネズミ》を除去するカードがないということだ。
こうなってしまうと「ネズミゲー」の開始である。カワサキは4枚目の土地として《変わり谷》をセットするとネズミでアタック。これはウメノがノータイムで《ゾンビ》をブロックに回し、ネズミとの相打ちを選択。もちろんカワサキは手札を捨ててネズミを生産する。
ウメノは除去を引けない。《夜帳の死霊》をキャストするが《英雄の破滅》が飛んでくる。
次のターンも《地下世界の人脈》を張るに留まり、その間にカワサキのネズミがどんどん量産されていく。自身2枚目の《ネズミ》を出したターンにはライフが10まで落ち込んでしまっていた。
迎えたカワサキのターン。2体の《ネズミ》と《谷》でアタックし、ウメノは対応で1ドロー、そしてこれがスルーされる。ここでカワサキは最後の手札を切りウメノのライフを0にし…ない。
ウメノの立たせた3マナを気にしているのか、はたまた決勝のプレッシャーなのか。
最後の手札は切られることなく、《地下世界の人脈》を土地に張り付けてエンドとなった。
残りライフ1で九死に一生を得たウメノ。カワサキのエンド前に自身のネズミを量産し、自身のターンは7マナフルオープンでターンを返す。
目の前に現れるであろう4匹のブロッカーを前に、カワサキは頭を抱える。マナは6マナしかなく殴れる《ネズミ》も2匹しかいないのだ。結局ウメノのネズミ1匹に《究極の価格》を撃ち込み、《谷》とともに3体アタック。ウメノもこれに応えネズミ3体でブロックし、場のネズミはすべて共食いしてしまった。
何とか踏みとどまったウメノ、手札に抱えていた3枚目の《群れネズミ》と《アスフォデルの灰色商人》を一気にキャストして5点ドレインを果たす。これはさすがに逆転か…と思われた返しのターン、《人脈》で土地を引き込み、《太陽の勇者、エルズペス》が場に降り立つ。
ゲームはいよいよもって泥沼化の様相を見せる。
《ネズミ》がトークンを噛み千切り、エルズペスには《英雄の破滅》。カワサキも再び《ネズミ》をキャストしお互いがけん制をせざるを得ない状態。しかも両者とも《人脈》によって手札を増やし続けるため、ライフが1点しか減らない状況なのだ。
そうこうしている内に先に減っていたウメノのライフが再び1に。
ウメノ「引きたいなー」
カワサキ「引いてもいいんすよ?」
ウメノ「引いたら楽になれる しこーほーき」
とはいうもののお互いライフは逼迫しており思考放棄は許されない状態。ウメノは手札をめいっぱい使いカワサキが殴れない状態を作り出す。
そして先に泥沼から抜け出したのもまた、ウメノであった。
《アスフォデルの灰色商人》。
カワサキ0-1ウメノ
1本目を落としてしまったカワサキ。あそこでネズミを出しておけば…と悔やむがまだ2ゲーム残っている。ここからの巻き返しなるか。思考放棄をせずに細い勝ち筋を乗り切ったウメノにも賞賛を送りたい。
2戦目
後手となったウメノが《思考囲い》でカワサキの手札を除く。そこにあるのは
《群れネズミ》《脳蛆》《英雄の破滅》《エレボスの鞭》土地2枚というもの。
《ネズミ》を落とさなければゲームが決まりかねないのだが、それ以外も全て強力なカードで占められているためウメノは悩む。「吐きそうだな」と言いながら結局《ネズミ》を落とすことに。
返しでカワサキの《脳蛆》は《生命散らしのゾンビ》《夜帳の死霊》《冒涜の悪魔》というウメノの手札を公開。アドバンテージは取りやすいものの、相手の脅威に対応しにくい手札だ。
ここから《ゾンビ》が追放され、しばらくは《脳蛆》が淡々と攻撃する展開に。
しっかり土地を引き込んだカワサキは5ターン目に最速で《幽霊議員オブゼダート》をキャスト。
ウメノも《冒涜の悪魔》で応えるが、カワサキは《脳蛆》を生贄に捧げて強引にダメージを通していく。戦闘後には《オレスコスの王、ブリマーズ》と《群れネズミ》を一気に送り込み、ウメノの除去1枚だけでは対応できない盤面を作る。
もとより除去を引いていないウメノ。一応《ネズミ》を出してブロッカーとして立たせてみるが、《悪魔》を寝かせてフルアタックしたカワサキの勢力を止められるわけもなく。
カワサキ1-1ウメノ
3戦目
泣いても笑っても最後のゲーム。お互いキープしてみたび《思考囲い》は後手のカワサキから。《群れネズミ》《英雄の破滅》《闇の裏切り》《地下世界の人脈》から《ネズミ》を選択。
3ターン目ウメノは《地下世界の人脈》を張った返しにカワサキは2枚目の《思考囲い》で《闇の裏切り》を落とすと自身の《ネズミ》をキャスト。《英雄の破滅》を使わせ手札の《ブリマーズ》を生かすプランだ。
これは誘導に成功したものの、加えてウメノに《思考囲い》でその《ブリマーズ》を引き抜き、イージーウィンを許さない。仕方なくウメノの土地が寝ている間に《人脈》を《払拭の光》で追放してターンを終了した。
5ターン目はお互いに《地下世界の人脈》を張り合い、しばらくの間除去とクリーチャーが交換されていく。
再び泥沼にはまり始めたと思った矢先、カワサキが除去とともに何気なくキャストした《オレスコスの王、ブリマーズ》。恐る恐る攻撃宣言をしてみると、なんとこれが通る。
つまるところ、ウメノの手札には除去がなくなってしまったのだ。
従者を引き連れた猫の王の攻撃が、《思考囲い》《地下世界の人脈》ですり減ったウメノのライフに深刻な一撃を与える。残りライフはカワサキ11、ウメノ8だ。
ウメノはライフを捧げライブラリーに手を伸ばす。そこに駆け付ける《アスフォデルの灰色商人》。ライフは7-13と逆転するが、殴れるクロックも信心も少ない以上まだカワサキの方が有利と言えるだろう。
カワサキは《強迫》でウメノの手札に《生命散らしのゾンビ》と土地しかないことを確認すると、《ブリマーズ》と猫トークン2体でアタック。猫が1体討ち取られるもウメノのライフを7にする。そしてトップデッキしてきた《幽霊議員オブゼダート》を召喚、次のターンにはゲームを決める構えを見せる。
しかしウメノも負けじと《人脈》でドローしたのちに《灰色商人》の2体目をキャスト。
今度は6点のライフを刈り取ることでカワサキ3-ウメノ10と再びライフは逆転。
お互いが必殺技を連打し、1ゲーム目とは全く異なった派手な空中戦が展開される。
アップキープに《オブゼダート》が2点を吸い取りドロー後にカワサキはしばし逡巡。
そしてすべてのクリーチャーでアタック。
ウメノもこれに応え、《商人》でそれぞれ《オブゼダート》と《ブリマーズ》をブロックして猫トークン2体の攻撃を通し残り6に。手札の《ゾンビ》と合わせ最大8点分のドレインができる状態にして3枚目の《商人》による一発逆転を狙う。
だがしかし、カワサキは戦闘後《胆汁病》《払拭の光》でウメノの信心を0に。
激しい除去とライフとネズミの応酬戦、長かった戦いも今ここに決着。
カワサキ2-1ウメノ
GPT神戸inカードショップばぶるす・優勝者はカワサキヒロタカ!
~GPT神戸メタゲーム分析~
デッキ分布(()内はTOP8)
●赤緑黒ミッドレンジ(ジャンドモンスター) 7(2)
・赤緑白ミッドレンジ 1
・緑白黒ミッドレンジ 1
●黒単コントロール 6(2)
●オルゾフコントロール 6(2)
・赤白黒コントロール 2
●バーン 6
・赤スライ 2
●エスパーコントロール 6
・アゾリウスコントロール 3(1)
・青黒緑コントロール 2
・青黒コントロール 1
・青単(含タッチ白) 2
・赤信心タッチx 2
・《ニヴメイガスの精霊》コンボ 1
・赤黒ミノタウルス 1
・白ウィニー 1
・ゴルガリドレッジ 1
・ナヤ・プレインズウォーカー 1
・白黒人間 1
・赤黒人間 1(1)
――――――――――――――
計 54
各県から遠征もあり、各トップメタの分母が増えているのがわかります。前回GPTシドニーでは少なかった赤緑系のミッドレンジが最大数を占めたのが特徴的です。
よく「黒コンとオルゾフは構成も似ているし、数ではトップではないのか?」と言われますが、僕は厳密的に違うデッキだととらえています。
序盤を除去や手札破壊・あるいは「ネズミゲー」をするという部分は同じですが、中盤から後半にかけての動きは異なったアクションが多いです。
黒単コントロール(以下黒コン)が「信心」を稼ぐためにパーマネントを展開したり《地下世界の人脈》でアドバンテージを取っていくのに対し、オルゾフコントロール(以下オルゾフ)は《太陽の勇者、エルズペス》《ヴィズコーパの血男爵》《幽霊議員オブゼダート》といったフィニッシャーが存在します。これらはカードパワーはさることながら除去耐性も兼ね備えているため、1枚だけで勝てるゲームも少なくありません。そのため中盤以降の黒コンは、相手を倒すためにある程度攻防プランを考えなければならないのに対し、オルゾフは「フィニッシャーまでつなげる」という明確な目的をもってプレイすることができます。この辺りはエスパーやアゾリウスコントロールにも通じる部分があります。
もちろんゲーム展開が変わったりどちらが強いか、ということではありませんので、プレイする時や認識の問題として捉えておくぐらいでいいと思います。
他にも全体を見回すとやはりコントロール・ミッドレンジが隆盛を極めているようですね。
トップメタの一角を占めたバーンデッキが1人もトップ8に残っていいないのを見ても、今のスタンダードでライフを攻めるだけでは厳しいようです。
果たして次期環境では黒系コントロールの牙城を崩すデッキは現れるのか?期待して待ちたいところですね!
さて、この記事があげられるころには皆さんプレリリースを満喫しているころだと思います。そこで次回は特別企画として、「Magic2015」のカードと次期環境についての考察をゲストを交えながらお送りしたいと考えています。
今後はそういった記事もますます充実させていきたいと思いますので、これからもカードショップばぶるすをどうぞよろしくお願いします!
カワサキ(オルゾフコントロール)VSウメノ(黒単コントロール)
普段からばぶるすによく顔を出し、チームメイトや友達とマジックを楽しんでいるカワサキ。 今回は「ばぶるすスタンダード神」ことスエマツとデッキシェアをして決勝まで勝ち上がってきた。「ミスをしないように頑張ります」とのことだが、毎ターン選択肢の多いオルゾフをどう操るかが見どころだ。
対するウメノは相変わらずの好成績で、前々回(カバレージ参照)に次ぐGPT決勝である。前回はスエマツに敗れたリベンジを今ここで果たせるのか。デッキは前と同じ黒単である。
1戦目
先手カワサキが「占術」土地からスタートすると後手ウメノも「占術」土地。2ターン目には《群れネズミ》を鏡打ちと全く同じ展開であり、違うのは占術土地の色ぐらいだ。
カワサキは先手の利を生かしウメノの《ネズミ》を《払拭の光》で追放すると、自身のネズミでアタックしウメノに傷を負わせる。
ウメノは返しで《生命散らしのゾンビ》でカワサキの《幽霊議員オブゼダート》を追放する。
これはつまり、手札に《ネズミ》を除去するカードがないということだ。
こうなってしまうと「ネズミゲー」の開始である。カワサキは4枚目の土地として《変わり谷》をセットするとネズミでアタック。これはウメノがノータイムで《ゾンビ》をブロックに回し、ネズミとの相打ちを選択。もちろんカワサキは手札を捨ててネズミを生産する。
ウメノは除去を引けない。《夜帳の死霊》をキャストするが《英雄の破滅》が飛んでくる。
次のターンも《地下世界の人脈》を張るに留まり、その間にカワサキのネズミがどんどん量産されていく。自身2枚目の《ネズミ》を出したターンにはライフが10まで落ち込んでしまっていた。
迎えたカワサキのターン。2体の《ネズミ》と《谷》でアタックし、ウメノは対応で1ドロー、そしてこれがスルーされる。ここでカワサキは最後の手札を切りウメノのライフを0にし…ない。
ウメノの立たせた3マナを気にしているのか、はたまた決勝のプレッシャーなのか。
最後の手札は切られることなく、《地下世界の人脈》を土地に張り付けてエンドとなった。
残りライフ1で九死に一生を得たウメノ。カワサキのエンド前に自身のネズミを量産し、自身のターンは7マナフルオープンでターンを返す。
目の前に現れるであろう4匹のブロッカーを前に、カワサキは頭を抱える。マナは6マナしかなく殴れる《ネズミ》も2匹しかいないのだ。結局ウメノのネズミ1匹に《究極の価格》を撃ち込み、《谷》とともに3体アタック。ウメノもこれに応えネズミ3体でブロックし、場のネズミはすべて共食いしてしまった。
何とか踏みとどまったウメノ、手札に抱えていた3枚目の《群れネズミ》と《アスフォデルの灰色商人》を一気にキャストして5点ドレインを果たす。これはさすがに逆転か…と思われた返しのターン、《人脈》で土地を引き込み、《太陽の勇者、エルズペス》が場に降り立つ。
ゲームはいよいよもって泥沼化の様相を見せる。
《ネズミ》がトークンを噛み千切り、エルズペスには《英雄の破滅》。カワサキも再び《ネズミ》をキャストしお互いがけん制をせざるを得ない状態。しかも両者とも《人脈》によって手札を増やし続けるため、ライフが1点しか減らない状況なのだ。
そうこうしている内に先に減っていたウメノのライフが再び1に。
ウメノ「引きたいなー」
カワサキ「引いてもいいんすよ?」
ウメノ「引いたら楽になれる しこーほーき」
とはいうもののお互いライフは逼迫しており思考放棄は許されない状態。ウメノは手札をめいっぱい使いカワサキが殴れない状態を作り出す。
そして先に泥沼から抜け出したのもまた、ウメノであった。
《アスフォデルの灰色商人》。
カワサキ0-1ウメノ
1本目を落としてしまったカワサキ。あそこでネズミを出しておけば…と悔やむがまだ2ゲーム残っている。ここからの巻き返しなるか。思考放棄をせずに細い勝ち筋を乗り切ったウメノにも賞賛を送りたい。
2戦目
後手となったウメノが《思考囲い》でカワサキの手札を除く。そこにあるのは
《群れネズミ》《脳蛆》《英雄の破滅》《エレボスの鞭》土地2枚というもの。
《ネズミ》を落とさなければゲームが決まりかねないのだが、それ以外も全て強力なカードで占められているためウメノは悩む。「吐きそうだな」と言いながら結局《ネズミ》を落とすことに。
返しでカワサキの《脳蛆》は《生命散らしのゾンビ》《夜帳の死霊》《冒涜の悪魔》というウメノの手札を公開。アドバンテージは取りやすいものの、相手の脅威に対応しにくい手札だ。
ここから《ゾンビ》が追放され、しばらくは《脳蛆》が淡々と攻撃する展開に。
しっかり土地を引き込んだカワサキは5ターン目に最速で《幽霊議員オブゼダート》をキャスト。
ウメノも《冒涜の悪魔》で応えるが、カワサキは《脳蛆》を生贄に捧げて強引にダメージを通していく。戦闘後には《オレスコスの王、ブリマーズ》と《群れネズミ》を一気に送り込み、ウメノの除去1枚だけでは対応できない盤面を作る。
もとより除去を引いていないウメノ。一応《ネズミ》を出してブロッカーとして立たせてみるが、《悪魔》を寝かせてフルアタックしたカワサキの勢力を止められるわけもなく。
カワサキ1-1ウメノ
3戦目
泣いても笑っても最後のゲーム。お互いキープしてみたび《思考囲い》は後手のカワサキから。《群れネズミ》《英雄の破滅》《闇の裏切り》《地下世界の人脈》から《ネズミ》を選択。
3ターン目ウメノは《地下世界の人脈》を張った返しにカワサキは2枚目の《思考囲い》で《闇の裏切り》を落とすと自身の《ネズミ》をキャスト。《英雄の破滅》を使わせ手札の《ブリマーズ》を生かすプランだ。
これは誘導に成功したものの、加えてウメノに《思考囲い》でその《ブリマーズ》を引き抜き、イージーウィンを許さない。仕方なくウメノの土地が寝ている間に《人脈》を《払拭の光》で追放してターンを終了した。
5ターン目はお互いに《地下世界の人脈》を張り合い、しばらくの間除去とクリーチャーが交換されていく。
再び泥沼にはまり始めたと思った矢先、カワサキが除去とともに何気なくキャストした《オレスコスの王、ブリマーズ》。恐る恐る攻撃宣言をしてみると、なんとこれが通る。
つまるところ、ウメノの手札には除去がなくなってしまったのだ。
従者を引き連れた猫の王の攻撃が、《思考囲い》《地下世界の人脈》ですり減ったウメノのライフに深刻な一撃を与える。残りライフはカワサキ11、ウメノ8だ。
ウメノはライフを捧げライブラリーに手を伸ばす。そこに駆け付ける《アスフォデルの灰色商人》。ライフは7-13と逆転するが、殴れるクロックも信心も少ない以上まだカワサキの方が有利と言えるだろう。
カワサキは《強迫》でウメノの手札に《生命散らしのゾンビ》と土地しかないことを確認すると、《ブリマーズ》と猫トークン2体でアタック。猫が1体討ち取られるもウメノのライフを7にする。そしてトップデッキしてきた《幽霊議員オブゼダート》を召喚、次のターンにはゲームを決める構えを見せる。
しかしウメノも負けじと《人脈》でドローしたのちに《灰色商人》の2体目をキャスト。
今度は6点のライフを刈り取ることでカワサキ3-ウメノ10と再びライフは逆転。
お互いが必殺技を連打し、1ゲーム目とは全く異なった派手な空中戦が展開される。
アップキープに《オブゼダート》が2点を吸い取りドロー後にカワサキはしばし逡巡。
そしてすべてのクリーチャーでアタック。
ウメノもこれに応え、《商人》でそれぞれ《オブゼダート》と《ブリマーズ》をブロックして猫トークン2体の攻撃を通し残り6に。手札の《ゾンビ》と合わせ最大8点分のドレインができる状態にして3枚目の《商人》による一発逆転を狙う。
だがしかし、カワサキは戦闘後《胆汁病》《払拭の光》でウメノの信心を0に。
激しい除去とライフとネズミの応酬戦、長かった戦いも今ここに決着。
カワサキ2-1ウメノ
GPT神戸inカードショップばぶるす・優勝者はカワサキヒロタカ!
~GPT神戸メタゲーム分析~
デッキ分布(()内はTOP8)
●赤緑黒ミッドレンジ(ジャンドモンスター) 7(2)
・赤緑白ミッドレンジ 1
・緑白黒ミッドレンジ 1
●黒単コントロール 6(2)
●オルゾフコントロール 6(2)
・赤白黒コントロール 2
●バーン 6
・赤スライ 2
●エスパーコントロール 6
・アゾリウスコントロール 3(1)
・青黒緑コントロール 2
・青黒コントロール 1
・青単(含タッチ白) 2
・赤信心タッチx 2
・《ニヴメイガスの精霊》コンボ 1
・赤黒ミノタウルス 1
・白ウィニー 1
・ゴルガリドレッジ 1
・ナヤ・プレインズウォーカー 1
・白黒人間 1
・赤黒人間 1(1)
――――――――――――――
計 54
各県から遠征もあり、各トップメタの分母が増えているのがわかります。前回GPTシドニーでは少なかった赤緑系のミッドレンジが最大数を占めたのが特徴的です。
よく「黒コンとオルゾフは構成も似ているし、数ではトップではないのか?」と言われますが、僕は厳密的に違うデッキだととらえています。
序盤を除去や手札破壊・あるいは「ネズミゲー」をするという部分は同じですが、中盤から後半にかけての動きは異なったアクションが多いです。
黒単コントロール(以下黒コン)が「信心」を稼ぐためにパーマネントを展開したり《地下世界の人脈》でアドバンテージを取っていくのに対し、オルゾフコントロール(以下オルゾフ)は《太陽の勇者、エルズペス》《ヴィズコーパの血男爵》《幽霊議員オブゼダート》といったフィニッシャーが存在します。これらはカードパワーはさることながら除去耐性も兼ね備えているため、1枚だけで勝てるゲームも少なくありません。そのため中盤以降の黒コンは、相手を倒すためにある程度攻防プランを考えなければならないのに対し、オルゾフは「フィニッシャーまでつなげる」という明確な目的をもってプレイすることができます。この辺りはエスパーやアゾリウスコントロールにも通じる部分があります。
もちろんゲーム展開が変わったりどちらが強いか、ということではありませんので、プレイする時や認識の問題として捉えておくぐらいでいいと思います。
他にも全体を見回すとやはりコントロール・ミッドレンジが隆盛を極めているようですね。
トップメタの一角を占めたバーンデッキが1人もトップ8に残っていいないのを見ても、今のスタンダードでライフを攻めるだけでは厳しいようです。
果たして次期環境では黒系コントロールの牙城を崩すデッキは現れるのか?期待して待ちたいところですね!
さて、この記事があげられるころには皆さんプレリリースを満喫しているころだと思います。そこで次回は特別企画として、「Magic2015」のカードと次期環境についての考察をゲストを交えながらお送りしたいと考えています。
今後はそういった記事もますます充実させていきたいと思いますので、これからもカードショップばぶるすをどうぞよろしくお願いします!
コメント